本音を出した夜に残ったもの

まちゃお

一月の半ば
夜の空気が乾いていて
エアコンの音だけが
部屋に残っていた

冷めたマグカップを
なんとなく両手で包んで
タイミングを待つみたいに
少し黙っていた

思いきって
言わなくてもよかったかもしれない言葉を
口にした
自分でも
なぜその瞬間だったのかは
よくわからない

相手は笑って
すぐ別の話を始めた
悪い空気ではなかったし
場が壊れた感じでもない

でも
その間に
一拍だけ
何かが止まった気がした

胸の奥が
きゅっとしたような
しなかったような

言いすぎたかな
少し重たかったかな
そんな考えが
あとから追いかけてきた

それでも
呼吸は乱れなかった
むしろ
変な安心感があった

やっと言えた
たぶん
それだけのことだったのかもしれない

あの反応が
照れだったのか
戸惑いだったのか
それは
今もはっきりしない

わかってほしかったのか
自分の気持ちを
確かめたかったのか
どちらか一つじゃなく
たぶん
両方だった

すぐに意味をつけなくていい
あの夜に残った感覚は
答えになる前の
ただの手触りみたいなもの

今日は
その感覚を
胸でそっと受け止めてみる

なくさなくていい
急がなくていい

それだけで
十分な夜だった

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました