私が初めて手がけたブランド「KIWAKA」を
本格的にリリースしたのは、2017年3月末。
その少し前、1月から挑戦したクラウドファンディングを
3か月で走り抜けた直後でした。
2016年は“ブランドをつくる”ことに集中した一年。
そして2017年は
明確に 営業と販売に力を注いだ一年 となりました。
紹介を通じて新しい人脈が一気に広がり、
さまざまなコミュニティや会合に声をかけて
いただくようになりました。
「世の中には、こんなにも多様で個性豊かな世界があるのだ」
と驚いたのを今も覚えています。
ビジネス交流会、グルメ会、アマチュア参加型のビューティーコンペ、ファッションショー…。
“プロではなくても挑戦できる場”が確かに存在する。
その気づきは、私にとって大きな刺激でした。
KIWAKAを知っていただくために
コラボイベントや招待制の販売会に積極的に参加し
委託販売を引き受けてくださる店舗とのご縁にも恵まれました。
ですが、もっとも商品の魅力を伝えられるのは
やはり 自分自身。
お客様と直接向き合い、その方に合う“美しさ”を語ることが
何より好きだった私は
営業という現場そのものを楽しんでいました。
お客様からいただく反応や言葉は勉強になり
すべて次のヒントへとつながっていきました。
私は「ステージを変える」という大きな決断に至ります。
ある出来事をきっかけに
その答えは驚くほど早く心の中で形になりました。
金華山織(きんかざんおり)や和歌山という地域性から
一度離れよう。
この引手を“本物のゴールド”でつくり
バッグでありながら ジュエリーとして成立する
新しい世界 を築く──。
そう考え始めていた頃
KIWAKAの販売会に前職のお客様が訪れてくださいました。
宝石と着物を愛し、不動産会社の二代目として
活躍されている上品な女性です。
彼女はiTOP™をじっと見つめ、こう尋ねました。
「これ、何でできているの?」
「本メッキとスワロフスキーですよ」とお伝えすると
彼女は微笑みながら
しかしどこか本気の表情でこう言ったのです。
「ダイヤモンドなら、もっと素敵ね!」そのひと言が
胸の奥に眠っていた想いを鮮やかに照らし出しました。
── そうだ。私はこれを“ジュエリー”として完成させたい。
その瞬間、迷いは完全に消えました。
静かに、しかし揺るぎない意思で心に決めたのです。
次のステージは、“ジュエリーとしての iTOP™”。
ここから、新しい挑戦「TOSHIMI」が始まります。