今回からは、私が実際に利用した 「資金繰りの方法」 を
全3回に分けてご紹介します。
この記事は 【KIWAKA物語|Part3(再投稿版)
「人生初の借入れと、志ある若社長たちとの出会い」】 で触れた
“人生初の借入れ” を、より具体的にまとめた内容になります。
2006年に独立し
オーダーメイドの高級婦人服を企画・販売していた私は
2014年、タイ人の友達から「東南アジアから来る観光客に
日本らしいお土産を紹介してほしい」と依頼されたことをきっかけに
新規事業 「OBBIJINプロジェクト」 を見切り発車でスタート。
その後、多くの専門家や支援機関に無料相談しながらアドバイスをいただき
気がつけば本格的なブランド構築へと進み
初の“自社ブランド”となる KIWAKA の立ち上げまで動き出していました。
しかし、プロの力を借りるたびに費用は積み重なり……
2016年の春、
私は初めて “お金の壁” に真正面からぶつかっていたのです。
毎日、頭の中は資金繰りのことでいっぱい。
通帳の残高が減っていく恐怖で夜は眠れず
ため息ばかりの私がそこにいました。
そんな中、半年以上サポートを受けていた 大阪商工会議所 のご紹介で
日本政策金融公庫(国金) に相談できることになりました。
当初は、商工会議所・商工会の経営指導を受けている小規模事業者向けの
「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」 を想定していました。
しかし、担当の方から意外な提案があったのです。
「“OBBIJIN”は商標登録済み、“KIWAKA”も出願中なんですね。
それなら 知財関連の特別融資枠 の方が有利ですよ」
その一言で、私は迷わず *知財融資枠 で申請することを決意。
*知的財産融資とは、企業の特許権や著作権などの知的財産を担保にして、
金融機関から融資を受けることです。
公庫を訪れたのは、2016年3月初旬でした。
「年度末なので、3月中に事業計画書をご提出くださいね」
そう言われ、私は猛スピードで資料作成へ。
もちろん簡単ではありませんでしたが、新規事業支援で伴走してくれていた
コンサルK氏の力強いサポート があり、なんとか期限内に提出。
4月初旬。
ついに、人生で初めての融資が決定しました。
通帳に数字が振り込まれた瞬間
胸の奥にふわっと明かりが灯るような安堵を覚えたのを
今も鮮明に覚えています。
資金不安が一つ軽くなり、私はまた一歩、前へ進む力を取り戻しました。
ちなみに、この“年度末”のタイミングでの申請は
審査が進みやすい運も味方したようです。
そして、何より
私は新規事業立ち上げから、大阪商工会議所の経営相談で
専門家派遣による無料相談をきっかけに経営指導を受けていたので
日本政策金融公庫(国民生活事業)をご紹介頂くことができ
融資を受けることが出来ました。
この流れが無かったら、
個人事業主としての借入れのハードルは高かったと思います。